ももパパ像です。自己紹介はこちら。今回のテーマは「危険!絶対にやってはいけない投資信託の買い方7選」です。投資信託は投資を始めたばかりの人にも馴染みやすい商品です。証券会社などの販売会社の努力もあり、100円で買える商品がたくさんあります。中にはワーク買い物などで得たポイントで購入可能な販売会社もあります。販売会社も証券会社だけではなく、銀行や郵便局など全国どこにいても取引できます。投資の敷居が低くなっていることは歓迎したいです。一方で、敷居が低いからこそよく考えずに取引しがちにもなります。本当は気をつけたほうがいいのに、実は目が行き届いていないこともあるかもしれません。この動画ではタパ像が考える避けた方が良い投資信託の買い方についてお話します。共に学んでいきましょう。

まずは投資信託の仕組みを少しおさらいしましょう。投資信託は販売、運用、資産の保管などの業務を行うそれぞれ専門の機関が役割を果たすことで成り立つ金融商品です。投資信託は投資信託運用会社で作られ、運用されます。主に証券会社、銀行、郵便局などの販売会社を通して販売され、投資家からお金を集めます。販売会社は投資家と投資信託を繋ぐ窓口です。投資家から集めたお金は一つにまとめられ、資産管理を専門とする信託銀行に保管してもらいます。投資信託の金庫番のような役割で受託者と呼ばれます。運用会社は集めたお金をどこにどうやって投資するかを考え、その投資の実行をお金を管理している信託銀行に指示します。このことを運用指図といい、運用会社が権限を持っています。投資信託において最も重要な役割を果たしており、委託者と呼ばれます。投資信託の値段である基準価額を算出するのも運用会社です。そして信託銀行は運用会社の指図を受け、株や債券などの売買を行います。ETFや個別株と違い、値段は1日に1度しかつきません。取引も1日に1度のみです。なお、値段のことは基準価額と言います(基準価格ではありません)。また、商品によって注文を出してから約定する日、金銭との決済を行う受渡し日までの日数が異なります。特に換金したいときに大事なことですので、きちんと把握しておきたいですね。

投資信託には分配金と呼ばれるお金を投資信託の決算が行われる際に支払う仕組みがあります。分配金の支払いも商品によって異なります。全くないものもあれば、毎月分配するものもあります。投資信託を購入する際には必ず目論見書の交付を受けなければいけません。目論見書はカレンならば取扱説明書のようなものです。投資対象が何であるか、どのようなリスクがあるのか、どのような費用がどれくらい必要なのかなどが載っています。ですから目論見書をしっかり読んでから取引することが大事です。投資信託を買う側にとっての費用にあたる購入時手数料や信託報酬、信託財産留保額なども商品によって異なります。費用については後から触れます。つまり、一言に投資信託と言っても商品によって属性がまったく異なることを理解しておきたいですね。

では、これらの基礎知識を踏まえ、避けた方が良い投資信託の買い方をお話します。

1. 高い購入時手数料を必要とする投資信託を買うこと

先ほど、投資信託の費用は商品によって異なると申し上げました。販売会社によって費用の違いがあるのが、投資信託を購入する時に発生する購入時手数料です。例えば、S&P500連動投資信託であるE MAXIS Slim S&P500は多くの販売会社で購入時手数料が無料となっています。つまり、どこの販売会社で購入しても購入時手数料は不要です。一方、別の商品の目論見書には購入時手数料についてこのように記載されています。この商品の場合は販売会社によって購入時手数料が異なります。購入時に3.3%の手数料が徴収されてしまうのは少々残念ですよね。ですから、投資信託を購入する際はまずその商品に関して購入時手数料が必要なのか不要なのか、必要ならばいくらになるのかを確かめましょう。なお、オンライン証券は購入時手数料が相対的に低いことが多く、無料のものもたくさんあります。

2. 高い信託報酬の投資信託を買うこと

購入時手数料は購入時のみに発生する費用です。一方、購入してから売却するまでの間ずっと徴収されるのが信託報酬です。この信託報酬は年あたりの値をパーセントで表示しています。数字が大きいほうが費用をたくさん徴収されることを意味します。基準価額はこの信託報酬を日割りで計算して徴収した資産によって算出されます。信託報酬は販売会社、運用会社、信託銀行の3社が投資信託ビジネスから得る収益の源泉になります。ですので、信託報酬をゼロにすることは不可能です。とはいえ信託報酬はできるだけ低いほうがいいですね。低いほうが資産運用に向けられるお金が多くなります。

ひとつ例を見てみましょう。同じ運用会社の2つの投資信託の信託報酬を比べてみました。2つの商品で年1%以上の差があります。つまり、両方の商品に同じ金額を投入したら片方の投資額は1パーセント以上少なくなるのです。信託報酬率だけで投資の是非を決めるべきではありませんが、この費用はもうかけていても損していても必ず徴収されるものです。できれば低いほうがいいと申し上げる理由をご理解いただけると思います。

インデックス連動商品は信託報酬が低い傾向にあります。これは運用会社が独自のリサーチをして資産運用を考えるのではなく、存在しているインデックスに倣って資金運用をしているので手間が少ないからです。S&P500連動商品をお勧めするのは、S&P500というインデックスが優秀だからという理由だけではありません。投資家が負担する費用も少なくて済むので資金運用効率が良いのです。先ほども例に挙げたE MAXIS Slim S&P500の信託報酬は0.1%台とかなり低いです。

3. 販売会社が少ない投資信託を買うこと

例えば、日本の個別株であれば日本株を取り扱う証券会社における扱いはほぼ同様です。日本株を取り扱う証券会社でトヨタ自動車やソニーを取引できないということは非常にレアです。一方、投資信託はA社では取引できてもB社ではできないということがしばしばあります。この図をご覧ください。楽天証券、SBI証券、マネックス証券の、いわゆるオンライン証券大手3社の名前がありませんね。これは一例ですが、実は投資信託の世界では販売会社が限定されていることが少なくありません。数社に限られているケースもよくあります。仮に買いたいと思うような投資信託があったとしても、自分が取引している金融機関では取引できないということも少なくありません。

できれば販売会社は多いほうが良いと考えます。販売会社が多い投資信託は投資家にとってアクセスしやすい商品であることの裏返しです。そしてアクセスのしやすさは、純資産額の大小にも影響します。また、何らかの理由で残高を他社に移管したいと考えるときもあるかもしれません。そのようなときは販売会社が多い投資信託の方が当然移管しやすくなります。投資信託のポータビリティという点でも販売会社が偏っていない方が良いと考えます。

4. 純資産の規模が小さい投資信託を買うこと

現在、投資信託は私たちが購入できるいわゆる公募投資信託だけで約6000本あります。これは日本の上場個別株の数をはるかに凌ぐ数です。これだけ数があれば中身はまさに玉石混交です。中には優れたものもある一方、正直微妙に思えるものも存在しています。それはこれまでにお話ししてきた費用面だけではありません。投資信託の残高を純資産と表現しますが、この純資産が非常に小さいものが実は多数あります。

投資信託を買う時にあまり意識しないかもしれませんが、実はこの純資産の規模は重要です。あまりに小さすぎると、その投資信託が本来目的とするような運用ができない可能性があります。また、資産規模が一定以上にならない場合、運用を辞めることにしている投資信託が少なくありません。これは、これ以上運用を続けると投資家にとってデメリットが大きいと判断されるような場合です。運用を止めて投資家に返金することを償還と言いますが、予めそのような条件を設けている投資信託もあります。目論見書には「純資産が10億円を下回る場合などには繰上償還する」とあらかじめ示しています。せっかくお金を入れたのに運用してもらえなくなるのは残念ですね。もちろん、すでに徴収された費用が還付されることもありません。

極端に純資産が小さい投資信託は避けるべきと考えます。最低でも100億円程度は欲しいところです。純資産の規模はモーニングスターなどで投資信託の名称を検索すれば誰でも簡単にわかります。もちろん、純資産額はマーケットの状況によって変化します。下落局面に入るときは純資産も減少する傾向があります。ですから、少なくとも自分が保有する、あるいは購入を検討している投資信託については純資産の額を気にかけたいものです。

5. 信託期間が短い商品を買うこと

信託期間という言葉を初めて耳にした方がいらっしゃるかもしれません。投資信託を運用する時間軸のことです。そんなものがあるの?と思った方がいらっしゃるかもしれません。実は、投資信託はあらかじめ運用期間が決められているものが少なくないのです。例えば、この商品は運用をスタートしてから約10年後の2031年11月14日に運用を終了することになっています。

長期で運用することによるメリットを再三再四申し上げてきました。しかしながら、運用期間が決められてしまっていたら長期投資のメリットを享受できません。信託期間は状況によって延長されることもありますが、できれば最初から無期限と言われていたほうが安心できますね。無期限と目論見書で謳っていても、運用が芳しくない場合は繰上償還が起きることはあります。ですので、信託期間が無期限を選んでも決して万能ではありません。それでも、あらかじめ期限が決まっている商品よりは無期限と設定されているものの方が良いと思います。

早期の償還を避けるために、純資産の規模が重要です。三菱UFJ国際投信が運用するE MAXIS Slim米国株式S&P500は純資産規模が兆円に達する大きな投資信託です。この規模になると、そうそう償還されることはありません。S&P500がよほど目立たないインデックスにならない限り、大きく純資産を減らすことがないでしょう。そして無期限で運用され続けるはずです。そのような投資信託の方が安心してお金を入れられますよね。

6. 新興国に偏った投資信託を買うこと

投資信託の投資対象は実に様々です。アセットで言えば、株式、債券だけでなく、貴金属や穀物、レアメタルなどのコモディティを対象にしたものなどがあります。さらにそのアセットがどこの国で発行されているかに関しても、先進国、新興国と様々です。如何様にも組成できるのが投資信託の魅力です。

米国ほどルールと流動性において洗練された市場はないとしばしば申し上げてきました。それがタパ像が米国株投資をお勧めする一番の理由です。しかし、どんな国にも景気には波があります。時には新興国のマーケットが米国のマーケットより高パフォーマンスのこともあります。このチャートはS&P500とインドの代表的株価指数であるセンセックスを比較したものです。赤がセンセックスで、水色がS&P500です。概ね水色が上回っているのですが、ところどころインドのセンセックスが水色のS&P500を上回っているのがわかりますね。

センセックスがS&P500を上回っているような局面では、投資信託のパフォーマンスランキングでもインド株投信が上位に位置するはずです。そしてその結果を見ると、インド株投信が魅力的に思えることでしょう。しかしながら、このチャートはインド株が高パフォーマンスであるのは一時的であることも同時に示しています。実は、新興国のマーケットは上昇するときは先進国の後、下落するときは先進国より先にという特徴があります。新興国市場が魅力的に見えるときは、その市場が天井であることも少なくないのです。

一つ例を示しましょう。赤く囲んだ部分は、いわゆるコロナショック時です。赤のセンセックスは水色のS&P500よりも先に下落を始め、底はS&P500を下回る水準になりました。これがショック以外でも確かにS&P500をアウトパフォームする局面はありますが、S&P500を下回る期間は決して短くありません。コロナショックのような金融ショックが起きると、様々なアセットから資金が逃げます。これを避けることは難しいです。しかしながら、お金はいつかマーケットへ戻ってきます。その時は先進国から、とりわけ米国に最初に戻る傾向があることをぜひ覚えておきたいものです。

7. 流行りのテーマに沿った投資信託を買うこと

テーマ型投資信託と呼ぶ人もいます。投資信託は運用会社が実にさまざまなものを作ることが可能

By kazuya