自己紹介はこちら。今回のテーマはこちら、残酷な真実:老後には結局いくら必要なのか。やるべき投資も解説します。資産形成を始める方の目的に多いのが老後生活への備えだと思います。老後については「老後破産」とか「老後貧乏」など、様々なメディアでしばしば見聞きするようになりました。いくらお金を用意すれば老後を不安なく過ごせるのか、様々な情報が流れます。でも自分に照らし合わせると結局いくら必要なのかわからないままになりがちです。
将来のお金の話は誰も確実に見通すことができません。将来自分たちに何が起きるかなど誰にもわかりません。このブログではそんな不確定な要素も加味して老後資金の金額を想定するための方法をお話します。早速共に学んでいきましょう。
Contents老後に必要な金額を計算する基本式
老後に結局いくら必要なのかを知りたいですね。知るための式は簡単です。「老後に必要な金額 = 予定される支出 – 予定される収入」です。この式を使って計算しますが、予定される支出も収入も個人個人で異なります。ですから、ご自身が予定される支出と収入を可能な限り明らかにしていくことが大事です。どうやってやればいいかもお話しますので、安心してください。
老後の収入の柱:公的年金
まずは収入から想定しましょう。老後の収入の柱は公的年金です。日本の年金は階層構造になっています。20歳から全ての国民に加入義務が発生する国民年金は基礎年金とも言われます。これが1階部分と呼ばれます。会社員や公務員などは国民年金第2号被保険者等と呼ばれ、この人たちは2階部分である厚生年金保険の加入者になります。
何年か第1号第2号被保険者だった方が第2号被保険者の方と結婚して専業主婦等になると、第3号被保険者になります。20歳からずっと第1号被保険者の方の公的年金は1階部分のみです。第2号被保険者の期間があった方の場合は1階部分に2階部分が加算された公的年金が支給されます。受給見込み額は日本年金機構の年金ネットで試算できます。50歳以上の方であれば年金定期便でも確認できます。
公的年金の受給額を確認する方法
受給見込み額は働き方や受け取ったお給料などによって全く異なりますので、ぜひご自身で確認してみてください。一応目安として、厚生労働省が公表している令和3年度の受給額を知っておきましょう。第2号被保険者であれば厚生年金部分を合わせて月額約14万5千円、第1号被保険者のみの加入であった場合は月額5万5000円です。受給開始はとりあえず65歳にしておきます。
3階部分:企業年金やiDeCoの確認方法
さて、年金ネットなどでは確認できない年金があります。それは「3階部分」です。3階部分は公的年金に上乗せされる年金です。第1号被保険者であれば任意で国民年金基金に加入できます。給与所得者であれば勤務先によっては企業年金制度がある場合があります。近年は企業型確定拠出年金制度が導入されています。2022年からはどなたでもiDeCoに加入できるようになりました。
退職金の見積もり方
老後の収入として想定できるものがもう一つあります。それは退職金です。給与所得者であれば退職金制度がある勤務先がありますね。いつまで働けばいくらもらえるのか、これもまた勤務先やお給料の額、勤続年数によって異なります。勤務先の規定集には計算の仕方が掲載されていることが多いと思います。退職する時のお給料を大まかに想定して退職金の額を見積もりましょう。
老後の支出を4種類に分類する
次は支出の想定です。支出の方が想定は難しいです。お金の使い方や出費の予定が皆さん違うからです。支出は細かく分類すると把握が面倒になります。ですから、支出を4種類に分類します。
1. 老後も継続的に発生する支出
これはいわゆる基本生活費です。生きるために必要な支出ですね。食費、光熱費、日曜雑貨費などです。持ち家でない場合はここに住居費も入っています。また持ち家でもマンションならば修繕積立金や管理費は住宅ローン完済後も必要です。
2. 老後に継続的に発生するかもしれない支出
これは高齢者特有の支出です。医療費や介護サービス費用が該当します。できれば少ない方が良い支出ですが、年齢を経ると体は衰えますからある程度は想定しておいた方がいいですね。
3. 老後も時折発生する支出
頻繁ではないけれど、それなりに規模が大きいと見込まれる支出です。例えば将来の自宅の修理費用、自動車の買い替え、子供が結婚した時のお祝いなどです。
4. 老後に減る支出
これは子供の教育費や住宅ローンの支払いです。自分の老後には子供は独立していると仮定すれば、いずれ教育費はほぼゼロになるでしょう。住宅ローンも完済すればその分の支出が減ります。
支出と収入のバランスをシミュレーションする
金額が決まったらスプレッドシートを活用して年単位の支出を計算します。例として、95歳まで夫婦が健在だと想定し、支出の合計は約7170万円になりました。次に収入を加えます。公的年金の手取りを毎月20万円とし、退職金を65歳で一括受け取り、さらにiDeCoでの資産運用を考慮しました。この場合の収入の合計は2920万円です。
老後に必要な金額の具体例
老後に必要な金額=老後に見込まれる支出 – 老後に見込まれる収入の計算式に数字を当てはめると、この例では4250万円となります。老後2000万円問題がクローズアップされたことがありましたが、自分たちの暮らしに照らし合わせたら2000万円では足りないかもしれないと気づいたわけです。
老後資金の作り方
次に老後資金の作り方です。貯蓄のみで用意できるならそれでも構いませんが、子供の教育費や住宅ローンを支払い続けるならば、金利の低い円の預金だけでは難しいかもしれません。ここで投資の力を借りましょう。S&P500への投資は年平均リターンが約5%程度見込まれています。仮に3500万円を目標とした場合、毎月8万5000円を25年間積み立てると実現できる可能性があります。
関連する質問と回答
1. 老後に必要な金額を正確に計算するためには何が必要ですか?
老後に必要な金額を正確に計算するためには、予定される支出と収入を可能な限り明らかにすることが重要です。特に公的年金、企業年金、iDeCoの見込み額、退職金などの収入の詳細を確認し、支出についても基本生活費や医療費、介護費用などを具体的に見積もることが必要です。
2. 公的年金の見込み額を確認する方法を教えてください。
公的年金の見込み額は、日本年金機構の年金ネットで試算できます。50歳以上の方であれば年金定期便でも確認できます。年金ネットには加入者全員が利用登録でき、50歳以上の方はよりリアリティのある見込み額を確認できます。
3. 3階部分の年金の確認方法は?
3階部分の年金は、企業年金やiDeCoなどです。企業年金の場合、勤務先の年金基金等に問い合わせることで支給額の目安を教えてもらうことができます。iDeCoの場合、定期的に届く残高報告書で現在の値を確認し、65歳時点の残高を計算します。
4. 老後の支出を分類する方法を教えてください。
老後の支出は4種類に分類します。1. 継続的に発生する基本生活費、2. 継続的に発生するかもしれない医療費や介護費用、3. 時折発生する自宅の修理費用や自動車の買い替え、4. 減る支出として子供の教育費や住宅ローンの支払いです。
5. 老後資金を効率的に作る方法は?
老後資金を効率的に作るためには、時間を味方にコツコツ投資することが重要です。S&P500への投資は年平均リターンが約5%程度見込まれています。毎月一定額を長期間積み立てることで、老後に必要な資金を準備することが可能です。特に2024年以降は新NISAを活用することで利益が非課税になります。