だまだま高さです。今回のテーマは「含み損との付き合い方」です。一時絶好調だった米国株市場も陰りが見え始め、2020年以降に投資を始めた方の中には含み損を抱えている方も多いでしょう。しかし、長い投資の旅路において含み損は避けられないものです。今回は、金融商品のタイプ別に含み損への対応方法を詳しく解説します。
含み損の定義を知っておきましょう。含み損とは、購入時よりも価格が下がっている状態のことを指します。反対の言葉は含み益で、こちらは購入時よりも価格が上がっている状態を指します。例えば、S&P 500連動ETFの代表的な商品であるVOOを2021年末に購入した場合、現在の価格が下がっていれば含み損ということになります。
含み損が続くのは気持ちがいいものではありませんが、投資の初心者であれば全て売却してしまいたくなることもあるでしょう。しかし、含み損の対応は商品の特性によって異なります。今回は、商品タイプ別に含み損への対応方法を解説します。
ContentsS&P 500やナスダック100連動商品の場合
S&P 500やナスダック100連動商品は、米国株式市場で優秀な銘柄の集まりです。特にS&P 500は、選抜された米国株500銘柄で構成される成績優秀企業の集合体です。しかし、これらのインデックスでも値上がりし続けることはありません。下落調整局面もありますが、長期的には上昇傾向が続くことが多いです。
過去5年間のチャートを見れば、上げ下げを繰り返しながらも上昇していることがわかります。金利が高い局面では債券が魅力的に見えることもありますが、優秀なインデックスは再び株式市場にお金が流れ込むと最初に上昇する傾向があります。したがって、S&P 500やナスダック100連動商品は長期保有を前提にした投資が望ましいです。含み損が発生しても余裕資金でコツコツと買い続けることをお勧めします。
個別株の場合
個別株の場合は、S&P 500やナスダック100連動商品とは異なり、しっかりと調査して考える必要があります。S&P 500に採用されている銘柄であれば、米国株式市場で優秀とみなされているため、含み損でも売らずに持っていていい場合が多いです。
S&P 500採用銘柄かどうかを調べるには、Yahoo!ファイナンスでティッカーシンボルを入力して検索します。例えば、プロクター・アンド・ギャンブル(ティッカー: PG)を検索し、採用指数にS&P 500が含まれていればその銘柄はS&P 500の一部です。また、セクターも重要な情報です。生活必需品や公益事業、ヘルスケアなどのセクターは値下がりしにくい傾向があります。
ETFや投資信託の場合
ETFや投資信託は商品性の自由度が高く、インデックス連動ものから高配当、債券、デリバティブを用いたものまで様々です。ETFや投資信託だからといって一概に含み損への対応を決めることは難しいので、まずはその中身を確認しましょう。
各商品がS&P 500に連動しているのであれば、詳しく見なくても良いです。一方、テーマに沿った商品であれば中身を知っておくことが重要です。米国ETFの中身を知るためには、Yahoo!ファイナンス(US版)や運用会社のウェブサイトが便利です。
新興国やヨーロッパに投資する商品
新興国やヨーロッパに投資する商品は、マーケットが難聴になると最初に影響を受けやすいです。新興国リスクは高く、先進国よりも悪い環境になることが多いです。ヨーロッパも、ロシアのウクライナ侵攻などの影響で景気が悪化しています。これらの商品を多く持っている場合は、ボリュームを減らすことを検討するべきです。
情報技術セクターに投資する商品
情報技術セクターのETF(例: VGT)は、S&P 500と比較して2022年に入ってから劣後しています。しかし、アップルやマイクロソフトなどの企業は長期的に見て優位性を持っています。これらの企業の株価は一時的に下落しても、再び上昇する可能性が高いです。長い目で見れば、情報技術セクターへの投資も有望と考えられます。
高配当株に投資する商品
高配当株に投資するETFや投資信託は、軟調相場でも人気があります。高配当株は安定した収益をもたらすため、含み損になっていても持ち続けていいでしょう。軟調相場では高配当株に資金が集まりやすいため、結果として高配当株ETFや投資信託は恩恵を受けやすいです。
レバレッジ商品
レバレッジ商品は、短期投資に向いています。長期投資には向かないため、含み損が発生した場合は時間軸を考慮して対応する必要があります。長期的に見て価格が戻ることを待てるのであれば保有し続けるのも一つの手ですが、短期的に使う予定があるお金であればボリュームを減らすことを検討しましょう。
何年も持っていられる資金で投資することの重要性
総じて言えることは、何年も持っていられる資金で投資をすることが重要です。短期間で大きなリターンを狙うと含み損になるリスクが高まります。最強インデックスともいえるS&P 500連動商品を長期保有することで、含み損に悩む必要がありません。時間をかけることで、資産は増えていく可能性が高いです。
関連する質問と回答
含み損が発生した場合、すぐに売却するべきでしょうか?
含み損が発生した場合、商品の特性によります。S&P 500やナスダック100連動商品であれば長期保有を前提にし、個別株やレバレッジ商品であれば慎重に検討する必要があります。
個別株の含み損への対応方法はどうすればいいですか?
S&P 500に採用されているか、値下がりしにくいセクターの銘柄かを確認しましょう。これらに該当する場合は持ち続けても良いですが、占める割合が小さい銘柄は売却を検討します。
ETFや投資信託の含み損への対応方法は?
まずはその中身を確認しましょう。インデックス連動商品であれば長期保有を前提にし、新興国やヨーロッパに投資する商品はボリュームを減らすことを検討します。
レバレッジ商品の含み損はどう対応すればいいですか?
時間軸を考慮し、長期的に見て価格が戻ることを待てるなら保有し続けますが、短期的に使う予定があるお金であればボリュームを減らすことを検討します。
含み損を避けるためにはどうすればいいですか?
何年も持っていられる資金で投資をすることが重要です。短期間で大きなリターンを狙うと含み損になるリスクが高まります。S&P 500連動商品をコツコツと買い続けることをお勧めします。
今回の記事が、皆さんの投資戦略の参考になれば幸いです。今後も余裕資金でコツコツと投資を続け、長期的な資産形成を目指しましょう。