皆さん、こんにちは。株式投資の世界へようこそ。今日は、株式投資の長期投資について、リスクの観点から深掘りしていきます。長期投資とリスクの関係については、さまざまな意見がありますが、実際のところ、長期投資でリスクが下がるという考え方には一部誤解があります。この記事では、その誤解を解消し、リスクを正しく理解するための情報を提供します。

投資を始めるにあたり、皆さんがよく耳にするのが「長期積立分散投資が良い」というアドバイスです。この考え方は確かに一理ありますが、リスクを正しく理解しないと、目的を達成できないことがあります。例えば、リスクが思ったよりも下がらないと、値動きに耐えられなくなり、早々に売却してしまう可能性があります。また、長期保有自体はできたとしても、目標とする金額に達しないこともあります。

この記事を読むことで、長期投資におけるリスクの理解が深まり、思っていたのと違ったと焦ることを減らすことができるでしょう。そして、今後の投資においても、リスクという言葉がどのような意味で使われているのかを理解し、適切な投資判断ができるようになります。さあ、早速学んでいきましょう。

長期投資でリスクは下がるのか?

株式投資において、長期積立分散が良いと言われる理由は、投資期間が長くなるほどリスクが下がるとされているからです。例えば、金融庁のホームページには「投資期間が長いことで投資による価格変動リスクが小さくなり、安定した収益が期待できます」と記載されています。また、名著「ウォール街のランダムウォーカー」の著者バートン・マルキール氏も、長期投資でリスクが減少すると述べています。

長期投資のリスクの軽減について、マルキール氏は次のように言っています。「株式投資のリスクも投資期間に応じて減少する。株式を長期間保有し、一度買ったら多少の価格変動があっても持ち続ける基本方針を貫けば、リスクのかなりの部分を減らすことができる」。

一方で、楽天証券の客員研究員である山崎一氏は、「長期投資ではリスクが縮小するとする説明は誤りである。投資期間が長期化するとリスクは拡大する」という意見を持っています。このように、長期投資とリスクについては意見が分かれています。

年率リターンのばらつき

マルキール氏が述べるリスクとは、「年率リターンのばらつき」を指します。これは、株式を数年間保有したときに、1年あたりのリターンがどの程度になったかという意味です。例えば、株式を1年間保有した場合、成績の良かった年は資産が52%増え、成績の悪かった年は37%減りました。平均すると、資産は10%増加しましたが、ばらつきが大きく、平均をあまり信用できません。

一方、保有期間が長くなるほど、年率リターンのばらつきは小さくなります。1年しか保有しない場合、最大リターンと最小リターンの差は90%もありましたが、25年間保有した場合、その差は11%しかありませんでした。このように、年率リターンは長期投資になるほど平均値に収束し、リスクが小さくなるのです。

将来の資産額のばらつき

次に、将来の資産額のばらつきについて考えます。これは、保有期間が長くなるほど、将来の資産額のばらつきが大きくなることを意味します。例えば、100万円を投資した場合、1年後の資産額は最大150万円、最小50万円でしたが、5年後には最大320万円、最小40万円となり、ばらつきが大きくなります。

このばらつきが重要になるのは、目標金額を達成する時期が重要な場合です。例えば、子供の学費として20年後に400万円が必要な場合、投資金額が100万円だと、20年後の資産額の平均は375万円ですが、最小値だと60万円まで減る可能性もあります。このようなばらつきがあると、必要な資金を確保できないリスクが高まります。

元本割れの確率

元本割れの確率についても重要です。元本割れの確率は、保有期間が長くなるほど小さくなります。例えば、保有期間が1年の場合、元本割れの確率は34%ですが、15年で5%、20年で2%、25年で0%となります。長期投資のメリットとして、元本割れのリスクを減らせることが挙げられます。

短期間の値動き

リスクという言葉には、短期間の値動き、価格変動の幅(ボラティリティ)という意味も含まれます。これは、株式を長期保有していても小さくならないリスクです。同じ商品に投資する場合、1日で売却する予定の人も20年もつ予定の人も、短期の値動きリスクは同じです。

このリスクを小さくするためには、ポートフォリオの分散が重要です。株式と相関の低い資産(例えば債券や金など)を組み合わせて、短期の値動きを小さくすることができます。

まとめ

この記事では、長期投資とリスクの関係を4つの観点から紹介しました。

1. 年率リターンのばらつき:保有期間が長くなるほど小さくなり、リスクが減少します。
2. 将来の資産額のばらつき:保有期間が長くなるほど大きくなり、リスクが増加します。
3. 元本割れの確率:保有期間が長くなるほど小さくなり、リスクが減少します。
4. 短期間の値動き:保有期間が長くてもリスクは小さくなりません。

長期投資でリスクが減るという考え方は一部正しいですが、リスクを正しく理解しないと、投資の目的を達成できない可能性があります。リスクの異なる側面を理解し、適切な投資判断を行うことが重要です。

関連する質問と回答

長期投資で元本割れのリスクを減らせるのはなぜですか?

長期投資では、元本割れの確率が低くなります。これは、時間が経つにつれて市場の変動が平均化され、安定したリターンが得られるためです。

将来の資産額のばらつきが大きくなるとどう影響しますか?

将来の資産額のばらつきが大きくなると、投資の目的を達成できないリスクが高まります。例えば、子供の学費や老後の資金が不足する可能性があります。

短期間の値動きリスクを小さくするにはどうすればよいですか?

短期間の値動きリスクを小さくするためには、ポートフォリオの分散が重要です。株式と相関の低い資産を組み合わせて、リスクを分散させることが効果的です。

年率リターンのばらつきが小さくなるのはなぜですか?

年率リターンのばらつきが小さくなるのは、長期的に市場が平均化されるためです。保有期間が長くなるほど、リターンは平均値に収束しやすくなります。

長期投資でリスクを正しく理解するためにはどうすればよいですか?

リスクを正しく理解するためには、リスクの異なる側面を知ることが重要です。年率リターンのばらつき、将来の資産額のばらつき、元本割れの確率、短期間の値動きリスクの4つの観点からリスクを評価しましょう。

By kazuya