どもどもパパ像です。自己紹介はこちら。今回のテーマはこちら:「知らないとヤバイ積立投資に潜む罠参戦」です。最近は積立投資が大変人気ですね。特に積み立てNISAが始まってからは幅広い層の人たちから支持を受けています。積立投資は初心者さんにもおすすめの方法です。しかしながら、万能ではありません。そこで今回のブログでは積立NISAの利用状況、そして積立投資に潜む罠についてご紹介します。積立投資を最近始めた方、始めてからしばらく経ったけど復習したい方、投資に興味はあるけれど何となく不安な方にとって、今回のブログが参考になると思います。積立投資の罠を押さえておくことで「こんなはずじゃなかったのに」という事態を減らせます。そうすれば途中で中断することなくリスクを避けながら資産を築いていけるでしょう。それではさっそく学んでいきましょう。今日もよろしくお願いします。
積立NISAの利用状況
最近では、積立NISAをきっかけに積立投資を始める人が少なくありません。こちらのグラフをご覧ください。青が一般NISAの口座数、緑が積立NISAの口座数です。緑の積立NISAの方が毎年の増加幅が大きいですね。2018年末は53万口座でしたが、毎年2倍に増えています。そして2021年には300万口座を突破しました。
もちろん、一般NISAでも積立投資は可能です。しかし、一般NISAは非課税期間が5年間と比較的短く、長期的な資産形成を目指す積立投資とは相性が良くありません。これから積立投資を始める方には、積立NISAの方が適していると言えるでしょう。
次に年代別に見たグラフです。緑の部分が積立NISA、青の部分が一般NISAです。若い人ほど積立NISAの利用率が高いことがわかります。若い人は資産形成に長期間を支えられるため、積立投資との相性が良いのですね。また、若い人ほどNISA口座全体の数も多いことがわかります。投資に積極的な人が増えてきて、私も嬉しく思います。
さらに、NISA口座を利用している人の中で投資未経験の人の割合は次のようになっています。一般NISAでは投資をしたことがない人の割合は46%です。つまり、一般NISAを使っている人は投資経験のある人とない人が半々ということです。一方で積立NISAを利用している人は約86%が投資をしたことがありません。積立NISAから投資に入った人が多いということですね。この理由として、積立NISAは少額から投資を始めやすいためということが挙げられます。また、商品が厳選されているため、初心者さんには選びやすいということもいえるでしょう。
ここまで見てきたように、積立NISAを利用した積立投資は若い人や初心者さんからの人気が高くなっているということがわかります。将来や資産形成についてしっかりと考え、実際に行動に移す人が増えていることは大変喜ばしいですね。しかし、投資をするなら知っておきたい注意点もあります。そこで次は、投資によくある誤解や積立投資に潜む罠を3つご紹介します。順番に見ていきましょう。
罠1: 積立投資なら何でも安心
多くの方、特に初心者さんは積立投資がおすすめです。しかし、積立投資であれば何でもよいというわけではありません。特に商品の選択は重要です。つまり、何を積み立てていくかということです。選んだ商品がイマイチだと資産がなかなか増えません。逆に資産が減ってしまうことすらありえます。
そこで積立投資では次の2点を満たす商品を選ぶと良いでしょう。
1. 長期的に見て右肩上がりの成長が期待できる
長期的に見て右肩上がりの商品は、例えば前例や全世界の株式に連動するものが挙げられます。こちらのグラフは世界の主要国の株式に投資する投資信託です。期間は2001年から2022年までの約20年です。長期的に見て基準価額が右肩上がりで成長していますね。積立投資ではこういった商品を選ぶことが特に重要です。
一方でこちらの商品はどうでしょうか。期間は1997年から2022年までの25年です。この商品に長期で投資するのは非常に厳しいですよね。地道に積み立てたとしても価格が下がり続けるため赤字は避けられません。積立投資で購入できる商品の中にはこのようなものもあるのです。この例は少し極端なものを選びました。しかしながら、何に投資するかが一番重要ということがよくわかっていただけると思います。
2. 手数料が安い
複数の同じような商品で迷った時には手数料が安いものを購入すると良いでしょう。投資の世界では同じ対象に投資する商品なら手数料が安いものを選ぶという鉄則があります。手数料には信託報酬や運用管理費用、販売手数料などがあります。
例えば次の図をご覧ください。青いグラフとオレンジのグラフがありますね。いずれも日経平均株価に連動する投資信託です。青いグラフの商品は管理費用が0.15%、オレンジは0.82%です。管理費用が安い青色の方が後半のリターンが少し良くなっていますね。このように、同じ内容の商品であればコストが安いものの方がリターンに優れる傾向があります。
もちろん、投資信託のリターンはコストだけでは決まりません。運用や管理の方法によっても変わります。ただ、そのあたりは事前に予測できない部分が大きいです。一方でコストは事前に比較することができますね。例えば管理費用や信託報酬が1%を超えるような商品は避けたほうがよいでしょう。
また、手数料を考える上ではどこの金融機関で購入するかも重要です。つまり、手数料が安い金融機関で買う方が良いということですね。こちらの図をご覧ください。この図は各金融機関で売れ筋の商品のリターンをコストに対してプロットしています。左に行くほど低コストの商品が売れ筋で、右に行くほどコストが高いものが売れています。また、上に行くほどリターンの良い商品が売れています。この図を見ると、緑の点は右下の領域に多いですね。つまり、コストが高くてリターンがイマイチということです。一方でオレンジ色のネット証券は比較的真ん中の上のほうに位置しています。そう考えると、積立投資をするならネット証券を使った方が良いでしょう。
事業をなさっていて取引高との関係性を重視する必要がある経営者は別です。事業など融資の必要がない個人投資家はコスト重視が正解です。おすすめはSBI証券や楽天証券、マネックス証券です。概要欄に各ネット証券のリンクがありますので、まだ口座をお持ちでない人は参考にしてみてください。
罠2: 現金はいらない
投資は長期的に見れば安定したリターンを期待できる。だから現金は限りなくゼロにして投資に回そう。投資に慣れてくるとこのように考える人も増えてきます。例えば積立NISAの非課税枠をフルに活用するために余剰資金をすべて突っ込むパターンです。
確かに投資に回すお金が増えれば、期待できるリターンも大きくなります。投資は資本の大きさがものを言うからですね。しかし、投資額に無理があると今度は継続が難しくなることもあります。
例えば次のグラフをご覧ください。こちらは90年代から2000年代の賃金、雇用者数、報酬の推移を示しています。特に2001年のITバブル崩壊や2008年のリーマンショックの後を見てください。雇用も報酬も大きく減少していることが分かります。最近ではコロナショックが記憶に新しいところです。コロナショックの場合も飲食業や観光業にお勤めの方は大きなダメージを受けました。また、個人事業主やフリーランスの方はより大きな影響があります。
こちらは月収に対するコロナショックの影響についてフリーランスの方に調査した結果です。実に65%の人は収入が下がったことが分かります。51%以上下がった人が30%、10万円以上下がった人も15%いらっしゃいますね。こういった金融危機や不況が起こると、そもそも毎日の生活に影響が出ます。そして多くの場合、積立投資の資金は収入がメインです。従って、継続が難しくなってきます。
さらには生活防衛資金まで投資に回してしまうと、生活のために株式を取り崩す必要があるでしょう。しかもたいていの場合、こういう時は株価が暴落していて売りたくないような相場です。せっかく積み上げた資産を望まぬタイミングで売却するのは大変残念ですね。
このような収入の減少やリスクも考慮に入れて投資計画を立てると良いでしょう。経済危機以外でも、例えば事故やご家族の治療のために急にお金が必要になることもあります。継続性の点から、現金にはある程度の余裕を持たせておくことをおすすめします。手元のお金が少なくなると心の余裕も減ります。仕事や生活に余裕がなくなったり、友人との付き合いに悪影響が出ることもあります。投資は将来と人生を豊かにするための活動ですが、同時に今も大切なのですね。貯金は心の余裕に繋がります。投資と貯金のバランスを取り、今も未来も豊かにしていくことが大切です。
罠3: 資産は単調増加する
積立投資のシミュレーションには罠があります。将来の資産を知りたいとき、皆さんはどのように予測されるでしょうか。多くの方はシミュレーションを使って次のように考えるはずです。積立額は毎月3万円ずつにしよう。利回りは過去の実績から考えて5%ぐらい。期間は20年間に設定してシミュレーション開始すると、次のようなグラフが表示されるでしょう。とても美しい右肩上がりです。このグラフを見て20年後には資産がこんなに増えるのかと期待します。積立投資を続ければ順調に資産が増えていく、そう思いますよね。
ところが実際には、資産はこのように単調増加をしてくれません。実際に積み立てた場合はどうなるか、例を見てみましょう。こちらのグラフはS&P500に連動するETF、IVVのものです。2002年から2021年まで20年間実際に積み立てた場合のトータルリターンを示しています。青の実線がトータルリターン、水色の破線が投資元本です。積立額は毎月333ドルに設定しました。1ドル100円とすると、積立NISAの上限と同じ33,300円になります。従って20年後の投資元本は約800万円になります。水色の破線の一番右端のところですね。これに対してトータルリターンはなんと3,898万円。元本が800万円なので、20年で4.9倍に増えたということです。驚異的な成績ですね。この20年での利回りは平均して年13%になります。
この利回り13%という数字を使って積み立て投資のシミュレーションをしてみましょう。シミュレーションの方法は先ほどと同じです。積立額を毎月33,300円、投資期間を20年、利回りを13%に設定します。そうすると紺色の破線のグラフになります。実際にこのグラフを見ると、20年後の値は実線のトータルリターンと一致していますね。利回り13%はダテではなかったのです。
さて、実際の利回りに基づくシミュレーションができますが、どうでしょうか。実際のグラフをシミュレーションと見比べてみると、途中の部分がかなり違いますよね。特に実際のグラフは2008年から最後までシミュレーションを大きく下回っています。もし積立投資を始める時にシミュレーションのように資産が増えると考えていたらどうでしょうか。実際の推移を見たときに「思っていたよりも増えないなぁ」と不安に感じるでしょう。もしかしたら積立投資を途中でやめたくなるかもしれません。
そもそもなぜこのようなことが起こるのでしょうか。それは利回り13%という数字が結果論に過ぎないからです。確かにIVVはこの20年の利回りが13%でした。しかし、毎年13%ずつ増えたわけではありません。こちらのグラフをご覧ください。これはIVVについて1年ごとのリターンを示しています。年ごとのばらつきが非常に大きいですね。時には利回り30%を超える年もあれば、マイナス10%を下回る年もあります。これらを全て平均して13%ということです。
また、実際のリターンがシミュレーションを上回るか下回るか、それはこの1年ごとのリターンがどの順番で現れるかにもよります。最初の方で大きなマイナスが出て、後ろの方でプラスが続く場合、この時は実績のグラフがシミュレーションを下回り、後半で追いつく形になります。先ほどのシミュレーションがまさにこのパターンでした。2008年のリーマンショックで大きなマイナスが生じるまで、実績とシミュレーションはよく一致していましたね。その一方で、前半にプラスが続き、最後の方で大きなマイナスが出た場合、この時実績はシミュレーションを長期間上回り続けます。そして最後で落ちてシミュレーションに一致していきます。
この1年ごとのリターンはばらつきが大きいこと、それぞれのリターンが20年の間にどのような順番で現れるか分からないこと、これらが原因で実際の資産の推移はシミュレーションと一致しないのです。
さて、実際の成果がシミュレーションを下回っていると不安になってきますね。しかし、ここで止めて売ってしまうのは避けたいところです。結果的に損失を確定してしまう可能性が高くなるからです。こちらのグラフをご覧ください。このグラフは積立投資について保有期間による成績の違いをまとめたものです。
まずは右側のグラフをご覧ください。これは保有期間が20年の場合です。棒グラフが真ん中に集まっていて、4%から6