どこでもパパそうです。自己紹介はこちら。今回のテーマは「絶対に避けたい米国株投資の負けパターン7選」です。

ここ10年間、米国株式市場は大変好調です。こちらは前例およそ4000社に投資するETF VTIの過去10年間のチャートです。10年前はわずか64ドルだった価格が今は200ドル前半です。単純計算をすると年率14%で成長し、基準価額はおよそ4倍になったということですね。

これだけ見てみるとVTIやS&P 500に投資し続ければOK、寝てても資産は増やせると思われるかもしれません。しかし、投資の世界はそんなに甘くはありません。投資を始めると途中で様々な誘惑や罠があります。これにハマってしまうと、増えるはずだった資産が減ってしまうことも起こりえます。

ただ愚直にVTIやS&P 500に積立投資しておけばよかったと嘆いている投資家さんもきっと少なくはないでしょう。今回のブログでは絶対に避けたい米国株投資の負けパターン7選を紹介します。負けない投資、資産を多く確実に増やせる投資のヒントになれば嬉しいです。それでは、今日もよろしくお願いします。

短期で売買を繰り返す

私のチャンネルで紹介している米国株投資の王道戦略は、米国株インデックスへの長期積立です。S&P 500や全米株式に長期積立することで資産が増えることが期待できます。最初に証券口座を開き設定をする、あとは基本的に何もすることがありません。登録したクレジットカードや口座から必要な資金が自動的に引き落とされ、それが投資商品の購入に充てられます。

しかし、投資に興味を持ち始めると他の投資手法を試してみたくなるものです。インデックス投資でこれだけ良い成績が出ているなら、自分で個別株の売買をすればもっと儲かるのではないかと考えることもあります。すると、人気のある個別銘柄を中心に短期売買を繰り返すようになることがあります。

短期売買のデメリットとしては、支払う手数料が増えること、値下がりリスクが長期投資よりも高いこと、この2つが挙げられます。インデックス投資信託商品は売買手数料がかかりませんが、個別株投資には手数料がかかります。例えば、米国株を10万円分購入した場合、手数料は495円、一方で100万円分購入したら4950円となります。手数料の上限が22ドルとなっているので、実質おおよそ2420円前後となります。

このように米国株売買は1取引につき手数料が発生します。従って取引を繰り返すと支払う手数料は増え、株の売買差益で儲けたとしても手数料のために儲けが減ってしまうことになります。短期投資は長期投資よりも基本的に難易度が高いのも事実です。

業績が良くない銘柄を持ち続ける

業績が良くない銘柄を持ち続けるのも、投資の負けパターンの一つです。当初、値上がりを期待して株を購入し、その後会社の業績が低迷しても、業績が持ち直すに違いないと信じて持ち続けることがあります。しかし、業績が出ていない銘柄を持ち続けても資産は増えません。

行動ファイナンスの一つである自信過剰バイアスというものがあります。これは自分の能力や判断に対して明確な根拠がないのに自信を持つことです。自信過剰バイアスが働くことで、情報分析力の過信や相場観の誤認につながり、投資判断を誤るリスクが高まります。

例えば、ビヨンドミート(ティッカーシンボル: BYND)という代替肉を提供する会社があります。創業以来事業を拡大してきましたが、近年の業績は芳しくありません。特に直近の四半期連続でEPSが市場予想を下回っていることが気になります。一株当たりの利益が低いと企業の収益力が低いことを示し、株価の下落要因となりえます。

将来有望な業界であっても、企業が投資家の期待に応える業績を出し続けない限り、株価は低調なパフォーマンスとなることがあります。このような銘柄を持ち続けることは、投資効率的に良いとは言えません。

先行きが見えない業界に投資する

先行きが見えない業界に投資するのも負けパターンの一つです。企業の過去の業績が良かったとしても、それが未来の姿を映し出す鏡とはなりません。投資の世界では「昨日は昨日、今日は今日」といった考え方が必要です。過去の業績に未来を期待しすぎてはいけません。

例えば、米国で百貨店を経営するメイシーズ(Macy’s)の例があります。近年、売上高は横ばい、純利益は減少傾向にあります。大きな原因はEコマースの拡大です。スマホの普及により便利なオンラインショッピングを利用する人が増え、ネットショッピング大手のアマゾンやショッピファイが売上や利益を急拡大しています。

メイシーズもデジタル化によりオンラインショッピングに注力していますが、既に人々の生活の一部となったAmazonやShopifyから市場シェアを奪うことは容易ではありません。経済合理性を重視し、テクノロジーを享受する若者がEコマース業界を支えています。

コロナが収束し経済活動が活発になるという期待から、メイシーズなどのバリュー株の価格は上昇していますが、長期的には若者を中心にオンラインショッピングへのシフトは止まらないでしょう。Eコマースの将来性は今後も期待できます。さあ吸気が見えにくい業界の企業に投資することは避けたほうが良いですね。

手数料の高いファンドで運用する

手数料の高いファンドで運用することは、資産が減る原因となることがあります。S&P 500やMSCI国際などの指数に連動するファンドは、低コストのパッシブファンドと呼ばれています。これらの信託報酬は0.03%から0.2%程度です。

一方で、アクティブファンドは信託報酬が高めに設定されています。アクティブファンドは運用会社やファンドマネージャーが銘柄の入れ替えや情報収集などに人の手がかかるため、コストが高くなります。管理費用が高いファンドに投資すると、年間コストが大きくなり、投資額が2000万円となると年間コストは30万円にもなります。

高コストのアクティブファンドや毎月分配型のファンドも多いですが、運用実績が良いだけで手数料を考えずに高コストのリターンの低いファンドに投資するのは避けたほうが良いでしょう。

話題の個別銘柄に飛び乗り続ける

話題の個別銘柄に飛び乗り続けることも、資産を減らす投資の負けパターンです。ミーム銘柄に投資すること、SNSやメディアで話題の銘柄ばかりを買い続けることは、資産を減らすリスクがあります。

例えば、2021年に話題となった代表的なミーム銘柄には、ゲームストップ(ティッカーシンボル: GME)、AMCエンターテインメントホールディングス(ティッカーシンボル: AMC)、ベッドバス(ティッカーシンボル: BBY)などがあります。BBYの株価チャートを例に取ると、短期間で急上昇し、その後急降下しています。

株価が大きく上がり話題となった時に飛びつく行為を繰り返すと、資産が減ってしまいます。話題の個別銘柄に飛び乗り続けることは、おすすめできる投資行為ではありません。

よく調べず雰囲気で投資する

事前によく調べずに投資を行うと、損をする可能性があります。購入した銘柄が一度も下落せずにずっと上がり続けることは、株式市場においてはあり得ません。株価は上昇下落を繰り返しながら推移していくものです。

例えば、マイクロソフトの株価チャートを見ると、長期的には右肩上がりですが、短期的には何回も下落と上昇を繰り返しています。資産を増やすためには、短期の下落時に株を売らない姿勢が重要です。

企業の過去の業績と今後の業績予想、企業が持つ独自の強み、業界の動向、その国または世界の経済状況など、これらを知っておくことで、下落時にむやみに投げ売りして損をするリスクを低減できます。企業を取り巻く情報を把握することは、投資の成功に繋がります。

生活防衛資金を確保せずに投資する

生活防衛資金とは、次のような場合に生活が破綻しないための資金です。リストラを受けた、病気やケガで働けなくなったなどの非常事態に備えるものです。一般的には3カ月から6カ月、余裕を持って1年分の資金を準備しておくのが良いです。

この生活防衛資金を確保せずに投資することは危険です。いざという時にすぐに現金化できない場合、生活が破綻するリスクとなります。また、投資で資金を減らしてしまった場合、困った時の生活を支えることができるかどうか不安になります。余力がない状態での投資はうまくいかないことが多いです。

しっかりと生活防衛資金を確保した状態で余剰資金で投資することが重要です。投資を始める前に、自身の生活防衛資金額を決め、それ以外のお金で運用することを心がけましょう。

関連する質問と回答

Q1: 投資を始める前に知っておくべきことは何ですか?

投資を始める前に、基本的な投資の概念やリスク、目標設定を理解することが重要です。自分のリスク許容度を把握し、適切な投資戦略を選ぶことも大切です。

Q2: インデックスファンドとアクティブファンドの違いは何ですか?

インデックスファンドは市場の特定の指数に連動するように設計されており、低コストで分散投資が可能です。一方、アクティブファンドはファンドマネージャーが市場を上回るパフォーマンスを目指して運用するため、手数料が高くなることがあります。

Q3: ミーム銘柄に投資する際のリスクは何ですか?

ミーム銘柄は短期間で急上昇することが多いですが、その反面、急降下するリスクも高いです。業績に基づかない価格変動があるため、長期的な安定性に欠けることがあります。

Q4: 生活防衛資金はどのくらい準備すべきですか?

一般的には、3カ月から6カ月、余裕を持って1年分の生活費を生活防衛資金として準備することが推奨されます。

Q5: 長期投資のメリットは何ですか?

長期投資のメリットは、複利効果を最大限に活かせること、短期的な市場の変動に惑わされず、安定した資産形成が可能なことです。また、売買手数料や税金の負担も軽減されることが多いです。

以上が、絶対に避けたい米国株投資の負けパターンと、関連する質問と回答でした。米国株投資はポイントさえ押さえれば、負けない投資が可能です。今回紹介した負けパターンを避け、確実に資産を増やしていきましょう。

By kazuya